ぽんこつ留学記

書きたいことがありすぎるので、思ったままに書いていきます。

myトランキライザー ”sekai no owari”

  

トランキライザー【tranquiliser】... 精神的興奮をしずめ不安などを緩和する薬の総称。

                精神安定剤。(デジタル大辞泉より引用)

 

 

オーストラリアへ来て半年。わたしの精神は崩壊寸前だった。

 

 

毎晩のように色んな不安がこみ上げ、心臓はドコドコと踊り出し阿鼻叫喚、天地天明、絶体絶命、そして、ついに

 

 

"How are you?"以外のすべての会話が聞こえなくなる

 

 

という明らかにヤバい状況に陥った。これはヤバい。日本にいたときより聞き取れない。

 

おそらくこういう場合の対処法として

・日本にいる友達や家族と電話してリラックスする😊

・お風呂に入ってリラックスする

・自分の小さな成功をほめてあげる

 

といった、『一回リラックスして落ち着き自信を取り戻そう』といった方向に向かうのが正解なのだが、既に冷静を失いトチ狂ったわたしは

 

 

「身の回りのすべての日本語を排除し英語にどっぷり漬かって生きていく」

 

 

という体育会系さながらのストイックさを発揮し、さらに自分をガチガチに縛り上げた。その日から日本語のサイトを封印し、スマートフォンの言語を"English"に変え、1000曲以上もの大好きな邦楽が詰め込まれたウォークマンを排除し、maroon5やTaylor Swift等の得も知れぬ洋楽を突然聴き出した。さらには日本人に話しかけられても"Hello?"と英語で返したりなどしていた。

 

その...

 

結果...

 

 

 

精神崩壊した。

 

 

 

もちろんこの方法で格段に英語力を向上出来る人もいるだろう。そもそもわたしがこんなに自分をストイックに追い込んだのも、この方法をネットで調べて知ったのだから。しかし、わたしにはこの方法は、あまりに合わなかった。

 

発狂するほどに「日本語恋しい症候群」に陥った(俗にいう『ホームシック』というやつだが、当時のわたしは自分がそれだと認められないほどにはプライドが高かった)。

 

 

邦楽が聴きたい。いきものがかり聴きたいしスピッツの歌詞心に沁みるし嵐に元気をもらいたい。でもダメだ。日本に帰るまで、わたしは邦楽などどいう反留学心に満ちた音楽を聴くことは許されないのだ。

 

 

 

 

そうして苦しむこと数週間、わたしはとある音楽に出会うのである。

 

sekai no owari

 

もちろん名前も曲も知っていたのだが、当時のわたしにはこれは「禁断の音楽」であった。理由は簡単。なぜなら邦楽だから。

しかしあるときyoutubeで洋楽を探していたとき、ふと目についたのである。

 

sekai no owari

 

sekai no owari...英語表記だ。

スターライトパレード』...starもlightもparadeも英語だ。

 

「一瞬だけ再生しよう」悪魔の声がささやく。そうだよね。一瞬ならいいよね。

 

「~♪ welcome to the starlight parade」

 

 

......

 

 

 

 

 

......これ洋楽だ!!!! (邦楽です)

 

 

実際にはこのあとの「星が降る眠れない夜に~♪」から始まりほとんどすべての歌詞が日本語で書かれているのだが、当時、精神崩壊していたわたしにとって、これはもはや洋楽だった。今考えても意味不明だがとにかく洋楽だった。

 

こうして「聴いてもいい曲リスト」に加わった、なんだか他の曲よりめちゃくちゃ正確に歌詞の聞き取れる、邦楽っぽい洋楽は、疲れ切ってすさんだわたしの心に潤いをもたらした。ボーカルfukase の声に始まり、歌詞、メロディー、そのすべてが病んだ気持ちを落ち着かせてくれた。(誤解しないでいただきたいのは、sekai no owari が病み曲を量産しているバンドなのではなく、その当時のわたしの心境にsekai no owari の曲がピッタリはまったというだけのことである。)

 

 

それからというもの、あらゆる媒体を駆使し、わたしはオーストラリアでsekai no owari を聴きまくった。それはもう本当に、聴きまくった。最高。

 

こうしてわたしは、落ち着きを取り戻し、平穏な海外大学生活を再び送ることに成功したのである(病み気もせっせと大学には通っていたが、いかんせん何も聞き取れないので非常寂しかった)。

 

sekai no owari の皆さま、ありがとうございます。いつかライブ行きたいです。

 

 

 

すっかりsekai no owariの回し者による記事みたいになってしまった。まぁいっか。そもそも偉そうに回すほどの読者もいないのである。

 

 

 

ちなみに当時、当時と言っていますがつい先週のお話です。